インハウスデザイナー10年やって感じたこと – ゾウデザ

デザイナーハック

インハウスデザイナーとして働きだして10年経ったので、インハウスデザイナーと制作会社で働くデザイナーの違いや、今までを振り返って感じたことをお話ししたいと思います。

インハウスデザイナーとは?

インハウスデザイナーはどこかの企業に属して、その企業が提供するサービスに関わるクリエイティブ全般を担当するデザイナーです。

制作会社で働くデザイナーとは違い、自社のサービスに深く携われるので、じっくり制作したいって方は向いてると思います。

制作会社のデザイナーとインハウスデザイナーの違い

制作会社のデザイナーとインハウスデザイナーで大きく違う点は案件の数です。

インハウスデザイナーだとWEBサイトの新規立ち上げの頻度はさほど多くありません。

対して制作会社の場合、クライアントから依頼を受けての制作になるので案件が重複する時期も多いです。制作会社のデザイナーのほうが比較的忙しいと言われています。

ただその分成長も早いので、一つの分野に特化したい人は制作会社のデザイナーを目指してもいいのかなと思います。

インハウスデザイナーの仕事内容

インハウスデザイナーは社内のクリエイティブを纏めて請け負うので、いろんな仕事を依頼されます。

ぼくの場合だと、シフトのシステム開発、コーポレートサイトやLP制作、写真撮影、求人用のPR動画制作、フリーペーパーの広告制作などなど。システム開発〜動画制作までマルチに活動しています。浅く広くと言った感じですね。

例えばweb制作だけでいけるとこまでいきたいっていうタイプの方だと、インハウスデザイナーは物足りないかもしれませんね。

インハウスデザイナーに必要なスキル

インハウスデザイナーだと最新のコーディングスキルは必要ありません。

あるにこしたことはないですが、最優先の目的は事業を拡大すること。なので制作物に対する価値観は請け負いの制作会社より低い傾向があります。

Photoshop、Illustratrorが不自由なく使えれば、採用枠は見つかると思います。

インハウスデザイナーの将来性

企業からすると毎回デザインを外部依頼するのはそれなりにコストがかかります。

なので常にインハウスデザイナーのニーズは高めです。ただし即戦力や経験者を求める傾向があるので、応募者と企業でのマッチングがうまくいかないといったことも見受けられます。

ただ今後は広告費を削減するため、自社でデザイナーを抱えクリエイティブのレスポンスを高めたい企業は増えてくることが予想されるので、インハウスデザイナーの需要もますます高くなると思います。

インハウスデザイナーの給料

インハウスデザイナーの給料は企業規模、業種、景気に影響します。

例えば大手外資の証券会社のインハウスデザイナーというポジションがあれば、間違いなく高水準の待遇だと思います。

給料だけで会社を選ぶことはないとは思いますが、もし高待遇のインハウスデザイナーを探したい場合は業種も絞ってから検索をかけると見つかるかもしれません。

ただし高水準の給料ということはそれだけ果たすべき責任も大きいということです。

自身のスキルが低いと入ってから苦労するかもしれませんね。

求人でインハウスデザイナーと制作会社のデザイナーの見分け方

インハウスデザイナーは求人の仕事内容の項目に、「自社サービスに関わる制作業務全般」などの記載が必ずあります。逆に「自社サービス」というワードがない場合は、請け負いの制作会社がほとんどです。

インハウスデザイナーの場合、その会社の事業内容の将来性なども考慮することをオススメします。

スタートアップでよく分からないサービスを展開している企業とかだと、1年後にまた職探しするはめになるかもしれません。

インハウスデザイナーのメリットとデメリット

インハウスデザイナーのメリットは一つのサービスの立ち上がりからグロースしていく過程全てに携われることです。

請け負いの制作会社だと一つの案件が終わったら、また次の案件と制作業務だけに追われがちです。

対してインハウスデザイナーはここをこうした方がいいのでは?というようなPDCAを回しながらじっくりサービスに向き合えるという点での楽しさは感じられます。

また現場のスタッフとのコミュニケーションも必要です。パソコンの前に座って作業するだけではなく、時には現場まで足を運んで仕事に協力してもらう場面も出てきます。最低限のコミュニケーション能力は必要です。

インハウスデザイナーのデメリットは、社内のクリエイティブ全般を請け負わなければならないこと。

WEBデザインだけではなく、グラフィックなどの紙媒体、ぼくは社内業務に関わる簡単なシステムも担当してます。

あとは、撮影、動画制作もたたまに請け負います。

いつ何をふられるか予測が立てづらいので、日頃からスキルアップは自身で行う必要があります。

ということで、ある程度自走していくのが得意な人はインハウスデザイナーに向いてると思います。

インハウスデザイナーを10年続けて感じること

23歳でデザインを独学ではじめ、それからずっと同じ会社でインハウスデザイナーとして働きだして10年。

同じ部署で辞める人もたくさん見てきました。

最初は特にやれることがないので辛い時期もありました。

デザイン力が壊滅的で毎日先輩に「逆にどう思う?」って聞かれました。

自分はできてると思っても、周りの反応とのギャップに気持ちが沈みがちに。

それでも自分が選んだ道だから、中途半端じゃやめられないという思いだけでここまでやってこれました。

インハウスデザイナーに限らずですが、続けてみないと結果ってでないのかなと思います。

すぐに結果がでるような仕事だと逆に面白みがないですし。

これだけ長く会社の事業に携わってると嫌でも愛着がわきますよね。

制作業務はパターンが決まってくるのでマンネリ化しがちですが、その中で自分なりに工夫し提案する。

楽しもうと思えば自分次第でどうにでもなるなと感じてます。

やりたいことがあれば提案して社内決済をもらえばチャレンジできますし。

職業はWEBデザイナーなので、WEBだけに携わっていたいし、関係ない仕事はやりたくない。

特化したスキルを身につけたいと言う時期もありました。

ただ今思えばいろんな仕事に携われてよかったかなと思います。

WEBデザイナーは事業の課題をクリエイティブで解決するというのが一つの目的だと思います。

なのでWEBだけにこだわるとその範囲内でしか解決策が見つからないし、仕事の幅も狭まります。

WEBだけでは解決できない案件にぶつかった時、今だとWEB以外のアプローチでも提案できるので。

たまにインハウスデザイナーだとダサいとかレベル低いとかいう声も耳に入ります。

ただそれは一つの分野に限ってのことで、総合的なスキルでは制作会社のデザイナーと差はないと感じてます。

スキルはその人の資質みたいなところもあるので、環境というより個人の努力次第でどうにでもなるっていうのが正しいのかなと。

ぼくはそのスキルの部分を穴埋めするために、本業とは別に複業で制作業務を請け負ったり、デザイナーを目指している方へ指導を行っています。

周りの環境に依存するだけじゃなく、自分には何が必要か、何が不足してるのかを常に意識すれば、職場によるスキル格差は解消できるのかなと。

まとめ

インハウスデザイナーはじっくり一つのサービスに向き合えるのと仕事の幅が広いのが特徴。

対して制作会社のデザイナーは一つの分野に特化できるので、より専門的な知識を身につけやすいです。

ただデザイナーという職業は自分の意識次第でどんな分野にも特化できるので、ぼくはインハウスデザイナーでも制作会社のデザイナーでも特にこだわりは持ってません。

むしろこの人どんなデザイナーなんだろうっていう個人に対する興味の方が大きいです。

会社一緒に成長していきたいと言う方にはインハウスデザイナーはオススメです。

でわ。

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